ライブで多彩な分析を提供
今日紹介するのはハッブル宇宙望遠鏡から由来した名前を持つ、多機能ライブ分析ツール、 Hubble (ハッブル)だ。

アナリストはDataVolleyやVolleyStationでいつも通り入力するだけで、Hubble が裏でスカウトファイルを常時監視して、アクションが終わるたびにライブのダッシュボードへ変換する。
コーチもアナリストも、スタンドの関係者も、配られたリンクをPC、タブレット、スマホで開けば、自分に必要なビューがそのまま「動き続ける」。
試合後を待たずに、試合を俯瞰することができるというのがHubbleのすごいところ。
開発したのは、セリエAの強豪 Cucine Lube Civitanovaのアシスタントコーチ、Francesco Oleni 氏。
本稿は本人の掲載許可を得たうえで、アナリストの視点から「Hubbleで何ができるのか」「このアプリだからこそできることは何か」を整理していく。
とりあえずは公式サイトで、デモをチェックしてみるのが一番早いだろう。デモでは1点が5秒で更新されるので、ゲームの流れとそれに伴うHubbleの動きをおそよ10倍速で体感できる。
作者 Francesco Oleni とは
作者のOleni氏は、データアナリスト兼アシスタントコーチとして国際的なキャリアを積んできた人物だ。
中国・ロシア・韓国でのクラブ経験に加え、イタリア国内ではモンツァ(スーパーリーグ)やソラ(セリエA2)、さらに中国・デンマークの代表チームにも関わってきた。
2025年からルーペのアシスタントコーチに就任し、翌シーズンの契約も更新されている。CourtEndの登録ユーザーでもある。
Hubbleは彼が一人で設計・保守しており、バグ報告や機能提案はベータ版のWhatsAppグループから直接届く、という開発スタイルを取っている。
Hubbleの仕組み ── アナリストの仕事を一切変えない
Hubbleの良い点は、既存のスカウト作業を置き換えない点にある。流れはシンプルだ。
- アナリストのPCに、軽量の HubbleUploader(Windows用・インストール不要のポータブル版)を置く
- アップローダーに、スカウトソフトがUSBに自動で書き出すバックアップ用
.dvwファイルを指定する - アップローダーがアクション終了ごとにファイルをサーバーへ送り、サーバーが統計を計算して固有のURLを発行する(なのでweb接続は必須となる)。
- そのリンクをコーチ・スタッフ・広報・ファンに共有する(公開/パスワード保護は選択可)
ポイントは、アナリストはいつものソフトでいつも通り入力を続けるだけで、Hubbleの存在を意識する必要すらないこと。
二重入力ゼロ、手動エクスポートなし、セット終了待ちなし。アナリストの立場で言えば、「現場の入力負荷を増やさずに、ライブの分析画面が手に入る」ということになる。
もちろん各分析ソフトには、ベンチクライアントの機能がついているのだが、整えられた美しいモダンなUIはそれぞれのソフト標準のベンチコネクト機能に勝るとも劣らない。
Hubbleで何ができるか
1.各選手の直近成績

各選手の各スキルの直近成績が確認できる。
アタックが何本連続で決まっていない、試合前半は好調だった数字が下がって来ている、そういった情報がリアルタイムで確認できる。
数字が悪い選手はその選手のカード自体が赤く点滅、良い選手は緑色に点滅するので、いち早く気づくことができ、交替の準備もすばやくできるようになるだろう。
2.マッチレポート

マッチレポートはVolleyStation、DataVolleyでも見られる機能ではあるが、点差ビューや、modSO%(サーブミスを除いたSO%)や勝ちセット、負けセット分析が簡単にできるので、それら分析ソフトで見るより、便利な場面もあるだろう。
3.セッターの配球分析(Distribution)

セッターを選ぶと、ゾーンごとのトス配球が可視化される。しかも単なる配球ではなく、フィルタが有効。
状況やレセプション品質、セッターコール、セットしたゾーン、ローテーション、コート上の選手といった条件をもとにフィルターがかけられる。また、「自チームの○○が前衛のとき」といった選択もできるので、○○のブロックを避けている。○○のブロックのところから攻める傾向が強いといった分析もすることができる。
そういった相手セッターの「特定条件での偏り」を試合中に確認できる、というのがこのビューの強みだ。
4. 試合計画との「ライブ照合」(Situations)
Hubbleの中でも特に独自性が高いのがこの機能だ。
試合前に、各セッターについての「想定される配球分布」を設定しておく。
すると試合中、Hubbleは、リアルタイムの配球が事前の準備にどれだけ沿っているかをリアルタイムで表示してくれる。
効率で色分けされたライブのバー、期待値の高さに引かれた黄色いライン、クリックで開けるアタック詳細──。
スカウティングで立てた仮説を、その場で答え合わせできる。パスワード保護される機微なセクションだ。

5.プレー・バイ・プレー+映像(Play by Play)
ラリーごとにカード化され、前後のスコア、サーブ側、アクションの連鎖(サーブ→レセプション→トス→アタック)、得点者が並ぶ。
サイドアウト/ブレイクポイントのタグ、ローテ付きのコート図も表示される。
YouTubeやTwitchでライブ配信がある試合では、映像を横に並べて見られる。
もちろん今後の開発次第ではあるが、公式のライブスコアがないカテゴリで、自チームのファン向けにライブスコアを配信するといったこともできるようになるかもしれない。
まとめ
DataVolleyやVolleyStationを扱うアナリストにとって、Hubbleが面白いのは「ライブ配信のように分析を共有する」という発想そのものだろう。
特に「試合前に想定された配球を、試合中にライブで照合する」というワークフローは、ライブスカウティングを一段アップデートできる。相手セッターの配球が試合前の準備通りなのか、それとも違うコンセプトのもとプレーしてきているのか、いち早く察することができれば、ディフェンス戦術にとってこれ以上ない情報となる。
仮説 → 観察 → 検証のサイクルが、試合の中で完結する。自分のチームの分析運用に取り入れられる部分がないか、デモ試合を一度触ってみる価値は十分にある。
なお、Hubbleはベータ期間中は無料で使える。映像との連携、CPU処理、リンク共有といった切り口に関心があるなら、リールメーカーやライブ配信環境の検討とも地続きの話だ。
リンク
- Hubble 本体・デモ試合:webmister.pythonanywhere.com / デモを開く
- HubbleUploader ダウンロード(Windows・約12MB・インストール不要):ダウンロード
- 作者 Francesco Oleni:Cucine Lube Civitanova アシスタントコーチ/データアナリスト
免責・クレジット
本記事は、Hubble公式サイトおよび公開情報をもとに、筆者がアナリストの視点から独自にまとめた紹介記事です。掲載にあたっては作者 Francesco Oleni 氏の許可を得ています。機能の仕様や最新の対応状況はベータ版として頻繁に更新されるため、正確な情報・使い方の詳細は公式サイトおよびベータグループで直接ご確認ください。導入を検討される場合は、作者にコンタクトを取ることをおすすめします。ニーズに合わせた調整やサポートが受けられる旨が案内されています。

UI is very good and intuitive and I like a lot of solutions for data visualization, the only thing that’s concerning is a need of web connection. As I understand it’s not working offline?
I think so. I think it only works online. However, it can be an advantage if you want to reach fans and other stakeholders.